悩む人
- テレビ番組ってどうやって作られてるんだろう?
- 流れが知りたい
こんな疑問にお答えします。
本記事の信頼性
- この記事を書く僕はテレビディレクター歴10年です
- これまで関わった番組は20番組ほど
- バラエティ番組を中心に制作に携わってきました
番組が出来上がるまでを具体的に解説します。
テレビ作りに興味がある方はぜひ最後までお付き合いください。
【テレビの作り方】一つの番組が出来上がるまで
テレビがどうやって出来上がるのか流れに沿って解説していきます。
番組のジャンルや内容によって流れが違うので、「世界の果てまでイッテQ」を題材として説明します。
- 企画会議
- リサーチ・取材・ロケハン
- 台本作成
- ロケ
- サブだし編集
- スタジオ収録
- 本編編集
イッテQに携わったことはありませんが、きっと流れはこんな感じ。
なぜ分かるのかというと、テレビの作り方はどのジャンルも基本は同じだからです。
一つずつ解説します。
1.企画会議
まず、番組の内容が決まる会議を行います。
主に発言権を握るのは、総合演出とチーフ作家です。
(番組によってはプロデューサーの権限が強い場合もある)
イッテQはゴールデン番組なので、関わるスタッフの数が多いですが決定権はトップに集中するのが普通です。
- 放送作家 10人
- ディレクター 15人
- プロデューサー 5人
- AD 20人
大体このぐらいの人数です。
放送作家が宿題を読み上げ、ディレクターが企画の進捗状況をプレゼンし、内容や方向性が固まっていきます。
2.リサーチ・取材・ロケハン
次は、リサーチや取材、ロケハンを行います。
これは、企画会議で決まった内容を、より具体的に実行していく段階です。
リサーチ
リサーチは、調べることです。
主にパソコンでネット検索することを指します。
他にも、企業や機関に電話リサーチ、国会図書館や大宅文庫で書籍リサーチをすることで情報を集めて、ネタになりそうなものをピックアップしていきます。
取材
リサーチをしてネタになりそうなものが見つかったら、具体的に取材をしていきます。
取材はリサーチよりもさらに深ぼるイメージです。
ロケすることがほぼ前提で、情報の裏付けや不明点、ロケできそうな内容について、電話で取材します。
都内であれば直接出向いて取材することが多い。
ロケハン
取材が終わると、本格的にロケの構成を立てるため、現地を見に行きます。
これをロケハンと言います。
どういった撮影ができるか、必要なものはなにかを現場を見て具体的に情報収集をします。
地方であれば取材とロケハンを兼ねて行うことが多いです。
ただイッテQの場合であれば、海外なのでロケハンは考えにくいです。
なぜなら予算があまりないからです。
3.台本作成
情報収集が終わると、次は台本を作ります。
台本を作るのは多くの場合、ディレクターが行います。
一から映像を思い浮かべて、それを文字にしていく作業です。
(このゼロからイチを生む作業が中々大変です)
台本作りで映像の出来が大きく変わるので、しっかり時間を割く段階です。
- 過去の放送や人気番組を参考にする
- 過去台本を参考にする
とにかく模倣が大事です。パクリはダメですが模倣は重要です。
テレビは良くも悪くもやり尽くされているので、正解はすでにあります。
それをこの番組とこの企画に、どう当てはめるかを考える方が効率的なんですね。
4.ロケ
台本ができたら次はいよいよロケです。
ロケではまず、ロケ場所と流れの確認をカメラマンと共に行います。
それは画を撮るのはカメラマンなので、撮影意図を共有していないと、狙いが定まらずあとで撮れてない、、という事態になりかねないからです。
(撮れてないっというのは割りとあるあるです)
さらに出演者にも企画意図や流れ、セリフなど打合せをして、撮影をしていきます。
-
撮りこぼしはないか
-
スケジュール通りに進んでいるか
-
笑いは作れているか
この3つは常に意識しておく必要があります。
特に3つ目の笑いを作れているかどうかは、個人の感覚なので難しいところなので、経験することでしか磨けない部分だと思います。
5.サブだし編集
ロケが終わったら次は編集です。
イッテQの場合、サブだし番組なのでオンエアの前にVTRを作ります。
そんなサブだし番組は、2回編集して2回オンエアしているようなものなので、スタジオの撮影だけで完結するクイズ番組などと違って2倍大変だと言えます。
ディレクターがオフライン
オフラインといって、ディレクターがパソコンでカタカタ編集する作業をまず行います。
この時に使われる編集ソフトはほとんどPremiere Proです。
中にはAvidやFinalCutやEdiusを使う場合もありますが、今では9割はPremireです。
このオフラインが一番時間が掛かります。
これは撮影した素材が多ければ多いほど大変です。
なぜなら、目的の箇所を探すのに時間が掛かるからです。
2〜3日ぶっ通しでオフラインするなんてことも珍しくないです。
オンライン編集
ディレクターのオフラインが終わると次はオンライン編集です。
ここではエディターと呼ばれる映像に関する技術屋さんが、おしゃれなテロップやおしゃれな加工をして、映像のクオリティを上げてくれます。
6.スタジオ収録
サブだし編集が終わると、スタジオ収録です。
スタジオで編集したVTRを出演者に見てもらいリアクションを撮ったりします。
イッテQの場合だと、オンエアの9割がVTRなので、当然長いVTRになります。
そのたった1割のために、スタジオにセットを組み、たくさんの出演者を集めて、中にはお客さんも入れて、多額の制作費を掛けて撮影をしています。
7.本編編集
スタジオ収録が終わると、次はオンエアするための本編編集です。
サブだしとスタジオの画を混ぜ合わせて、もう一度編集を行います。
ここではCMの入れどころなど決めて、放送時間に合わせて寸分狂わず尺にする編集を行います。
この時も、まずはディレクターがオフライン編集を行い、次にオンライン編集をします。
サブだしであまり笑いにならなかった部分や、たるい部分などはどんどんカットしたり修正したりします。
中には、撮影し直す箇所があったりすることもザラにあります。
【まとめ】
おさらいです。
テレビ番組の作り方は次の7ステップです。
- 企画会議
- リサーチ・取材・ロケハン
- 台本作成
- ロケ
- サブだし編集
- スタジオ収録
- 本編編集
テレビは、時間とお金と労力をフルに使って出来上がっています。
何気なく流れているテレビでも、こんなに苦労しているんだと少しでも感じてもらえれば嬉しいです。
この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。
そんじゃあまた!