悩む人
- テレビのスタッフってなんか偉そう
- 「どいてどいて!」みたいな非常識な態度なんなの!
こんな怒りにお答えします。
本記事の信頼性
- この記事を書く僕はテレビディレクター歴10年です
- これまで関わった番組は20番組ほど
- バラエティ番組を中心に制作に携わってきました
直接的な被害を受けた人は少ないかもしれませんが、なんとなく偉そうな感じの印象を持っている方も少なくないはず。
そんな疑問を解消する記事がこちらです。
テレビのスタッフが偉そうな理由を”中の人”が解説
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テレビスタッフが偉そうな理由は2つあると考えます。
- 少なからずある「テレビだぞ」というおごり
- スタッフ自身が精神的に追い込まれている
1つ目は、テレビの権威性を振りかざしている人。
2つ目は、忙しさと上からの圧力に参っている人です。
一つずつ解説します。
「少なからずある「テレビだぞ」というおごり」
テレビのスタッフには、どこか普通の人には体験できない影響力のある世界で働いているという、自負みたいなものがあると思います。
(あからさまに声に出して言う人はいませんが、心の片隅にはあるはず。)
そんな小さな自負によって、人に悪印象を与える場面があります。
例えば、
スケジュール通りにロケが進まず、お店の営業時間に支障が出ているが無視して撮影を優先する、なんて場面があったとします。
そんな時のスタッフの胸中はきっとこんな感じ。
「テレビが取材しにきているんだから多少は大丈夫でしょ」
「ちゃんと撮影された方が店側もおいしい」と。
でもその裏では、外で待っているお客さんがいればもしかして帰ってしまって二度と来ないかもしれない。お店の店主はもう二度とテレビの取材は受けないと思ってしまったかもしれません。
少なからずあるテレビマンのおごりが、実は被害を生んでいるケースは数多くあると思います。
「スタッフ自身が精神的に追い込まれている」
テレビ業界は、時間に追われ作業に追われ寝る間もなく、体力の限界ギリギリで働いていることが多いです。
それは、急変更や急発注が頻繁に起こるからです。
その都度対応するスタッフは振り回され続けています。
すると、当然、体力だけでなく精神的にも不安定になります。
そんな時に例えば、商店街でロケがあったとします。
人よけをしているスタッフが上手く誘導できておらず撮影が進まないなんて事態があったとすると、そのスタッフは上司から叱責されるでしょう。
すると、一般人に思わず「どいて!」と高圧的になってしまう人もいるはず。
スタッフのほとんどが、一般人ほど丁寧に対応することが染み付いていますが、精神的に追い込まれているスタッフが高圧的になってしまうのも、中の人からすると分かる気がします。
テレビが偉い時代はとっくに終わっている
僕は10年ほどテレビ業界にいますが、テレビが偉いと思ったことはほとんど記憶にないです。
なぜなら、取材依頼をしても、ことごとく断られるからです。
多くの場合、なんとかお願いして取材させてもらっている、という状況です。
これはテレビが一大メディアだった頃は、テレビといったらなんでも出来たという時代があったと聞きます。
ただ時代の変化と共に、徐々に徐々にテレビの力が弱まるにつれてテレビ取材を断るところが増えています。
テレビで出来ることの幅が狭まっている
これはコンプライアンスの問題ではなく、テレビスタッフの横暴な態度が原因で、出来ることの幅を縮めていっているということです。
なぜなら僕自身ADの頃に、体育館の使用をしたいと電話を掛けた所、「テレビのスタッフさんは嘘付きますからねぇ」と使用を断られたことがあります。
自分が初めて電話を掛けたところでも、テレビという大きな単位でいうと何度も問い合わせが入っています。
そこで嘘の申請をして、無理やり体育館を使用するという人が一人でもいると業界全体の損失になります。
そうやって積もり積もった負の遺産によって、どんどんテレビで出来ることがコンプライアンスだけでなく、物理的に狭まっているのも現実だと思います。
今回はこの辺で。
少しでも参考になったら嬉しいです。
そんじゃあまた!