悩む人
- テレビの制作会社ってどうやって利益出してるの?
- テレビ局とどんな風に関わってるのか知りたい
こんな疑問にお答えします。
本記事の信頼性
- この記事を書く僕はテレビディレクター歴10年です
- 大卒で制作会社に入社しテレビ業界入り。
- これまで関わった番組は20番組ほど、主にバラエティを中心に番組作りをしてきました
制作会社育ちの僕が、制作会社の儲けの仕組みについて解説します。
【テレビ制作会社】儲けの仕組み【テレビ局との関係性】
制作会社の儲けの仕組みは4パターンあります。
- テレビ局から制作費をもらい、一番組を請負って制作
- 局制の番組にチームとして入り、オンエア1回分を請負う
- テレビ局にスタッフを派遣
- 制作会社に派遣
この4パターンに大別されます。
一つずつ解説します。
1.テレビ局から制作費をもらい、一番組を請負って完パケ納品
テレビ制作会社、儲けの仕組み1つ目は、完パケ納品です。
これは、テレビ局に企画を通して、制作費をもらい、完パケた状態で納品する方法です。
「テレビ局はお金を渡すので後はよろしく」といった感じです。
制作会社にとっては、最もあるべき姿ですが、これが出来ている会社は非常に少数です。
なぜなら、企画を通すこと自体難しい上、儲からないからです。
- 制作会社に箔が付く
- 企画に自分たちの意志が反映されやすい
- 利益を出しにくい
制作会社に丸々委託するからといって、テレビ局のプロデューサーや編成のチェックは厳しく入るので、すべてが自由にできるわけではありません。
また、外部制作の制作費はあまり貰えないことが多く、局制の番組に比べるとはるかに少ない金額で作らなければいけないということも多いのが実情。
ただ1つでもヒットすれば、会社にとってかなりメリットがあるので、やる気のある制作会社は自社制作している率が高いです。
例:テラスハウス(イーストという会社が生み出した番組です)
2.局制の番組にチームとして入り、オンエア1回分を請負う
テレビ制作会社、儲けの仕組み2つ目は、縦割りです。
- 放送回によって担当制作会社が変わる状態
- テレビ局から1放送回の全てを任される委託形式
- 1ヶ月に4回放送があれば4社入るなどの場合が多い
縦割りは完パケ納品に近いですが、テレビ局の番組に属すチームになるので、制作会社の自由度は下がります。ただ近年はこの縦割りスタイルの番組が増えています。理由はテレビ局がコントロールしやすい構造だからです。
(ダメだったら会社を変える、4社入れて競わせるなど)
- 安定して利益を出せる
- 会社の価値が高まりにくい
3.テレビ局にスタッフを派遣」
テレビ制作会社、儲けの仕組み3つ目は、スタッフ派遣です。
テレビ局にスタッフを派遣して人件費をもらうビジネスモデル。
今も昔もそうですが、派遣で成り立たせているという会社も少なくありません。
なぜなら、とてもコスパがよく安定的に収入を生み出すことが出来るからです。
- 安定して利益を出せる
- コストが掛からない
- 会社の価値が高まらない
- もはや制作会社ではない
スタッフ派遣が収益の半分以上という制作会社は7割以上だと思います。
これは、そのぐらい単純なテレビ制作では儲からないという裏付けでもあります。
4.制作会社にスタッフを派遣
テレビ制作会社、儲けの仕組み4つ目は、制作会社にスタッフ派遣です。
これは3つ目のテレビ局にスタッフ派遣の制作会社パターンです。
制作会社が制作会社にスタッフを派遣する方法です。
意外とこの方法もよく取られていて、知り合いの会社同士で仕事を分け合ってマッチングしている形です。
- テレビ局への派遣先が埋まってしまった時にでも、補填先になる
- 単価が低いことが多い
会社側からすると、従業員の給料は払い続けないといけないので、派遣先の口はたくさん持っておきたいもの。ただ単価が安いケースが多いので一長一短です。
働く側からすると、二重派遣になっていることも多く闇が深い儲け方と言えます。
もしあなたが二重派遣で働いているなら、あまり良い制作会社ではないと思って間違いないです。(資金に余力がない会社という意味でも)
まとめ
おさらいです。
テレビ制作会社の儲け方の仕組みは4つ。
- テレビ局から制作費をもらい、一番組を請負って制作
- 局制の番組にチームとして入り、オンエア1回分を請負う
- テレビ局にスタッフを派遣
- 制作会社に派遣
中でも1が最も良く、4が環境があまり良くないという感じです。
これだけ知っておくだけでも、会社選びの参考になるかと思います。
少しでも参考になったら嬉しいです。
そんじゃあまた!