悩む人
- テラスハウスの事件って作り手にも問題あるんじゃ?
- ヤラセであの事件が起きてたりしたらヤバくない?
こんな疑問にお答えします。
本記事の信頼性
- この記事を書く僕はテレビディレクター歴10年です
- 大卒で制作会社に入社しテレビ業界入り。
- これまで関わった番組は20番組ほど、主にバラエティを中心に番組作りをしてきました
闇を暴く的な記事でなくて、リアルをお伝えできたらなと思っております。
テラスハウスの事件から見えるテレビの演出
テラスハウスの事件が何かは割愛します。
テラスハウスが実際にどうやって作られているか。
携わったことはありませんが、きっとこんな感じ。
出演者候補を列挙する
↓
どんな展開が作れるか構成を考える
↓
台本にする
↓
決定した出演者と打合せ
↓
撮影
↓
編集
↓
オンエア
これはどんな番組にも共通した流れです。
ここで言いたいのは、
- どんな番組にも演出意図のないキャスティングはないし
- 台本のない番組はない
ということです。
ではテラスハウスにはヤラセがあるのか?
台本があるならヤラセってことなのか、と思うかもしれませんが、中の人から言うとヤラセではなくて演出という感覚です。
演出が不自然とか、行き過ぎるとヤラセになります。
それでいうと、テラスハウスは絶妙なラインを突いていると言えます。
だからこそ、え?これヤラセでしょ?とか、なんでカメラがあってこんな自然に喋れるの?とか、ある種視聴者の興味をもたせ続けられる要因になっていると思います。
結論、ヤラセと演出は紙一重。ということです。
出演者には指示を出しているのか?
結論、出演者への指示は、出している場合と出していない場合があります。
それはなぜか、意図的な指示が上手く作用する人と、不自然になってしまう人がいるからです。
例えば、このタイミングで怒って!と言われても、すぐに本気で怒るのは中々難しいのと同じで、言われたことを自分で100%解釈して表現できる人は少数です。(そういう能力に長けた人は、実際居ますし総じて売れています)
なので、制作側はあの人は器用だから直接的に伝えた方がいいとか、あの人は自我が強いから自然にさせた方が面白くなるとか、番組を作り上げる上で細かく判断しています。(ちなみにこんな風にいうと、なんだか偉そうですが、実際何時間も掛けてそんな事を考えるのがテレビなんです)
でもそれもこれも、視聴率を取ること以上に、ヤラセだ!と揶揄されることにとても敏感なのもあります。
特にテラスハウスの場合、ヤラセでは?という監視の目が強いので特に気をつけている点だと思います。
台本のない撮影は予想以上に何も起きない
一度でも動画を作ったことがある人なら分かると思いますが、台本のない撮影は本当に何も起きません。
当たり前ですが、何も起きない映像は本当につまらないものです。
なぜ何も起きないか、それは世の中のほとんどの人が普通で、日本が平和だからです。
例えば、家ついて行ってイイですか?だとしたら、実際に自分にインタビューされてOKすると人って少数ですよね。恐らく10人中9人くらいはNGだと思います。でもなぜあの番組が成立するのか、それはそのたった一人を探し続けているからです。
つまりあの撮影には、目的があって台本があるのです。
(ちなみにここで言う台本は、取材対象者に対してどういう掘り下げ方をしていくか、という台本です)
そのぐらい企画は練っていないと、人が見て楽しめるものには絶対になりません。
【まとめ】
おさらいです。
結論、テラスハウスには、ヤラセはないが演出はあります。
しかし、ヤラセと演出は紙一重。
それを判断するのは、視聴者や世間が持つ”普通の感覚”です。
出演者への指示は、人によって使い分けています。
その理由は、ヤラセになることを恐れているから。
台本のないテレビは存在しない。
それは台本のない撮影は予想以上に何も起きないからです。
ちなみに、制作者の願いは、なんの指示もなしに面白い展開が作れることです。
でも作ったことがある人なら分かります。それが出来たら苦労しないことを。
この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。
そんじゃあまた!